ここでは transportProperties について説明します。 transportPropertiesでは主に流体の物性について設定します。本モデルでは円柱後方の流れ場をicoFoamで解くことを前提としています。icoFoamは非圧縮性流体の層流の計算を対象とするので,乱流に関するパラメーターを考慮する必要はありません。
transportPropertiesの中身
icoFoamのtransportPropertiesは非常に簡単です。
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nu [0 2 -1 0 0 0 0] 1e-06;
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中身はこれだけです。
概要
層流の計算を行うために必要な流体物性として動粘度を設定します。動粘度はギリシャ文字のν(ニュー)で与えることが多いと思いますが,ここでも”nu”として与えます。
大カッコの中に 0 2 -1 といった数値が入っている部分は単位を設定しています。特に設定を変更していない場合,openfoamの単位系はSI単位系です。動粘度の単位は m2/s となります。大カッコの中には7つの数字が書いてありますが,左からそれぞれ次の次元および単位を意味します。
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次元 単位
質量 kg
距離 m
時間 s
温度 K
物質量 mol
電流 A
光度 cd
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最後に書かれている数値は,m2/s の単位で与えられる動粘度の数値です。ここでは常温の水(液体)を想定しますので1 x 10^(-6) m2/sとています。本シリーズで説明しているicoFoamによる円柱後方の計算において,流体の種類を変更してケーススタディーしてみたい場合はこの数値を変更します。
transportPropertiesの保存場所
“constant”ディレクトリの中に保存します。今までの本シリーズその1~4を見られている場合は”constant”ディレクトリの中には”polyMesh”ディレクトリと”triSurface”ディレクトリがあるはずです。
transportPropertiesの設定は以上です。icoFoamでは動粘度しか入力しませんが,simpleFoamやpimpleFoam,buoyantFoamなどを用いる場合は他の変数も登場してきます。
シリーズの最初の記事はこちら↓↓

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